生理前

生理前に胸が張ることは?

生理前に胸が張るのはどうして?

生理前になると、さまざまな不快な症状が現れる人は多いものです。胸が張るという症状もその一つです。どのぐらい張るのかは人によって個人差がありますが、人によっては張りが強くて痛みを伴う場合もあります。

女性ホルモンの影響

生理前に胸が張る原因は、いくつかあります。1つ目は、女性ホルモンの影響によるものです。女性の生理に関係するホルモンには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンとがあります。卵胞ホルモンは、月経から排卵日まで優勢に分泌されるホルモンで、排卵日から次の月経までの期間には、黄体ホルモンが優勢となります。

この黄体ホルモンは、排卵された卵子を育てる役割を持っています。排卵日の後に優勢に分泌されるのは、そのためです。そして、黄体ホルモンが卵子を育てる際には、乳腺が刺激されます。乳腺が刺激されることで乳腺内にたくさんの血液が流れ込み、血管が拡張します。また、乳腺が刺激されることによって乳腺組織が増え、それが胸が張る原因となります。

月経前症候群(PMS)によるもの

2つ目の原因は、月経前症候群(PMS)によるものです。月経前症候群というのは、生理前に多くの女性が経験する不快な症状をまとめたもので、特定の病気というわけではありません。症状には、腹痛や頭痛、吐き気などがある他、イライラするとか怒りっぽくなるなどの症状もあります。胸が張るという症状も、この月経前症候群の一つとなっています。

月経前症候群が起こるメカニズムは、上記に挙げた卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌が変動することによって、体がバランスを崩してしまうことによって起こります。また、黄体ホルモンが分泌されている時期には、子宮内ではプロスタグランジンという子宮を収縮させる作用を持つホルモンも分泌されます。このプロスタグランジンは、直接的に生理前に胸が張るという症状を引き起こすわけではありません。しかし、腹痛や腰痛などは、プロスタグランジンが原因になる事が多いです。

胸が張る際に注意したいコト

生理前に胸が張ることは、珍しいことではありません。少し張っているぐらいなら、特に何もする必要はないでしょう。しかし、張る度合いが強いと、胸が張って痛みを感じることがあるかもしれません。生理前のそうした不快な症状や痛みは、基本的には一時的なものなので、薬を飲んで対処しようという人は多いのではないでしょうか。

しかし、胸が張って痛いからといって、安易に鎮痛剤を飲むのは避けたほうが良いです。その理由は、生理前に胸が張るという症状は、妊娠初期の症状とも共通しているからです。排卵日を過ぎて妊娠した場合には、初期症状として胸が張る人が多いものです。しかも妊娠初期の胸の張り方は、ちょうど生理前の張り方とよく似ています。胸の張り方だけを見て、生理が来るのか、それとも妊娠しているかを見分けることはできません。

胸が張って痛い場合、妊娠していなければ鎮痛剤を飲んでも、問題はありません。生理前の現象としての痛みなので、生理が来れば胸は張らなくなりますし、痛みも自然に解消できるでしょう。しかしもし妊娠していた場合には、安易に鎮痛剤などの薬剤を服用してしまうことで、万が一にも胎児への影響があるかもしれません。妊娠超初期には、胎児は中枢神経や脳が作られる大切な時期です。そのため、いかなる薬も、必要なければ服用しないことに越したことはありません。

年代によっては更年期障害かも

以前は生理前に胸が痛くなることはなかったけれど、最近では生理が来るたびに胸が張って痛みを感じるという人もいます。月経前症候群でも、同じ人がいつも同じ症状を起こすというわけではなく、その時によってどこにどんな影響が出るのかは異なります。そのため、以前では生理前の不快な症状はなかったのに最近始まったという人でも、何か健康上にトラブルがあるというわけではありません。

ただし、もしも年代が40代や50代の人は、更年期障害の可能性があります。注意しましょう。女性の平均的な閉経の年齢は、50歳と言われています。しかし閉経の年齢には個人差があり、早ければ40代で閉経する人もたくさんいます。閉経が近くなると、女性ホルモンはバランスを崩しやすくなるため、生理前にはいろいろな不快な症状が起こりやすくなるのです。生理前に胸が張って痛いというのもその一つなので、更年期障害を疑う必要があります。

また、40代以降で生理前に胸が張って痛い場合には、乳腺の疾患の可能性がありますし、心筋症や狭心症などのリスクもあります。生理前には自律神経はホルモンのバランスが崩れるだけでなく、免疫力も低下します。そのため、普段は自覚できるレベルの症状が起きていなくても、免疫力が低下する生理前になると症状が現れるということも考えられます。

もしも生理前に胸が張って痛みを伴う場合には、しばらく様子を見ましょう。そして、毎月生理が来るたびに同じ症状が出たり、症状の出方がひどくなる場合には、一度婦人科を受診することをおすすめします。

生理前に胸が張る時の特徴

生理前に胸が張る場合には、多くの場合には、片方だけではなく両側の胸が同じように張ります。そして、乳腺が存在している乳房全体が張るため、部分的に張るとか、片側だけ張っているということはほとんどありません。

生理前の症状として胸が張る場合には、生理が来れば自然に張りが収まります。しかし、生理が来ても張りが収まらない場合や、熱を持っている場合、胸が張っているだけでなくシコリがある場合などには、何かの異常が起こっているサインの可能性があります。生理中でも、速やかに婦人科を受診してください。

また、胸の張りに合わせて乳首から分泌液が出るとか、血液が出ると言った場合にも、トラブルのサインかもしれません。我慢せずに、すぐに病院に行きましょう。

胸が張る病気もある

婦人科系の病気には、胸が張るという症状を持つ病気があります。その中でも発症率が高いのが、乳腺症です。生理前ではない時期でも、乳腺症にかかると胸が張りますが、生理前になるとホルモンの影響によって、張り方が強くなるため、それまで気づかなかった人でも自覚することは少なくありません。

乳腺症の場合、胸が張ると同時に、張っている胸に弾力性のあるシコリができます。自分で触れてしこりを認識できるサイズもあれば、認識しづらいサイズもあります。シコリがあるという点で乳がんと勘違いしやすいのですが、乳腺症の場合には、このしこりは生理の周期に合わせてサイズが変化するという特徴があります。生理が来るとサイズダウンして小さくなり、生理前になると大きくなります。

乳腺症のしこりは良性なので、特に治療をする必要はありません。しかし、どうしてもしこりが気になる場合には、乳がんを疑って検査を受けると良いでしょう。また、生理が終わってもしこりの大きさが変わらないような気がする場合にも、婦人科で検査を受けることをおすすめします。

生理前に胸が張って痛い時の対処法

生理前の胸の張りは、一時的なものです。しかし、張って痛い時には、いくつかの工夫をする事によって、痛みを軽減できます。

下着を変える

1つ目の対処法は、下着を変えるという方法です。生理前には胸が張ってサイズが大きくなる人は少なくありません。普段と同じ下着だと、窮屈に感じるかもしれません。窮屈な下着をつけていれば、痛みを強く感じることになるので、生理前に胸が張る人は、普段よりもワンサイズ大きめの下着をつけるのがおすすめです。

また、締め付けると痛みは強くなるので、生理前には大きめのスポーツブラなどを選ぶという方法もアリです。

姿勢よく過ごす

2つ目の方法は、姿勢よく過ごすという点があります。姿勢を良くすることで胸の張りがなくなるわけではありません。しかし、姿勢が悪くて猫背でいると、どうしても胸の周りに血行不良が起こりやすくなります。血行不良が起こると、痛みが強くなるので注意しましょう。

姿勢が悪くなくても、長時間同じ姿勢でずっといることもまた、血行不良が起こる原因となります。例えばデスクワークやパソコンワークなどで、同じ姿勢を長時間取っている人は、注意しましょう。この場合には、1時間に1回は席を立って歩いたり、両手を上に伸ばしてストレッチをするだけでも、血行改善効果が期待できます。

服装を変える

3つ目の方法は、服装を変えるという方法です。体にぴったりフィットしたタイトな服が好きな人でも、服が体を締め付けると、血行が悪くなって胸の痛みが強くなってしまいます。生理前は、できれば上半身を締め付け過ぎない服を選ぶと良いでしょう。

また、胸周りが露出した服だと、体が冷えやすくなってしまいます。体が冷えると血行不良になりやすいため、これも生理前の胸の張り対処法としてはNGです。普段は胸周りを露出するのが好きな人でも、生理前は体が冷えないように工夫することをおすすめします。

低用量ピルを処方してもらう

4つ目の方法は、婦人科を受診して、低用量ピルを処方してもらうという方法です。月経前症候群と診断されれば、低用量ピルを処方されます。ピルを使うことによってホルモン分泌を安定させることができ、胸の張りによる痛みなども軽減できます。

生理前の胸の張りは予防できるのか?

生理前の胸のハリは、ホルモンによる作用なので、完全に解消することは難しいものです。しかし、普段の生活でいくつかの点に気を付けることで、胸が張りを軽減することができますし、張り過ぎて痛いというトラブルが起こりづらくなります。

具体的に何をすれば良いかという点ですが、方法はいくつかあります。

栄養バランスが取れた食生活を心がける

1つ目は、普段から栄養バランスが取れた食生活を心がけるという方法です。特に、ホルモンのバランスを整える作用を持つ葉酸やビタミンは、積極的に取るようにしましょう。脂質や糖質が多い食事よりも、ビタミンやミネラルを多く含むアッサリした食事の方が、ホルモンバランスを整えるという点では効果的です。

ストレスを溜めこまない

2つ目は、ストレスを溜めこまないという方法です。社会生活を送っていると、いろいろな場所にストレスの原因が潜んでいます。ストレスを全く感じることなく生活することは難しいので、体内にストレスを溜めこまないようにストレス解消を意識しましょう。

ストレス解消法には、いろいろなものがあります。体を動かして汗をかいても良いですし、感動できる映画を見て涙を流すことでも、ストレス解消効果があります。また、お風呂の湯船に浸かってほっとリラックスすることも、ストレス解消効果が期待できます。

体が冷えないように工夫する

3つ目は、普段から体が冷えないように工夫するという方法です。体が冷えると全身の血行が悪くなり、生理前の月経前症候群による不快な症状が強く出やすくなってしまいます。胸が張るという症状も月経前症候群による症状の一つなので、全身の血行が悪くならないような工夫をする事は、胸の張り軽減にもつながります。

体が冷えないようにするためには、普段の服装を見直しましょう。ミニスカートをはくのなら、素足ではなくレギンスやスパッツと合わせたり、首や肩、腰や膝、足首などの関節部分を冷やさないように、しっかり温めてあげましょう。体が冷えやすい人なら、腰の部分にカイロを当てるという方法もおすすめです。腰にカイロを当てることによって、全身を効率的に温めることができます。

整体もおすすめです

生理前に胸が張って痛い人の中には、骨盤などの骨格が歪んでいたり、ズレている人がたくさんいます。女性の骨盤は、毎月の生理でも開閉しますが、出産する際には大きく開き、歪んだりズレている状態で骨盤が閉じてしまう事があります。骨盤がずれていると、どうしても下半身の血行が悪くなりやすいですし、月経前症候群の症状も起こりやすくなります。

生理前で胸が張っている時でも、痛くなければ整体院で施術を受けていただくことができます。しかし、もし胸の張りで痛みがある場合には、生理が終わって痛くない時期に通院するのが良いでしょう。整体院での施術は、一回の施術でゆがみやスッキリ矯正できるというわけではなく、やはり最初は定期的な通院が必要です。10日から2週間ぐらいのペースでしばらく通ってもらうと、骨盤を始め、骨格のゆがみやずれを矯正できるため、全身の血行が良くなります。それに伴って、生理前に胸が張る症状も軽くなるという人が多いです。

【SmileSeed(スマイルシード)】

-生理前

Copyright© トトノウ , 2025 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.