下痢

ストレス性の下痢を改善する対処法

ストレスが原因でどうして下痢が起こるの?

思い当たる節がないのに、ある日突然下痢になってしまうことはあります。下痢の原因にはいろいろなものがあり、ストレスもその一つです。ストレスを感じると、私達人間の体は、あらゆる部分に不快な症状や不調が起こります。不眠になったり、腹痛や下痢になる人は少なくありません。

ストレスがどのようにして下痢を引き起こすかを知っているでしょうか?腸は「第二の脳」とも呼ばれていて、脳と大きなつながりがあります。腸と脳をつなぐ神経や経路には、消化酵素を分泌したり細菌対策をしたり、また自律神経を正常な状態へ近づける作用を持っています。

脳がストレスを感じると、自律神経が乱れます。そうすると、腸にそのストレスが伝達され、腸の働きが悪くなったり、バランスを崩してしまいます。その結果、腸が食べ物を十分に分解できない状態で排出しようとしたり、腸壁が食べ物に含まれている水分を正常に吸収できず、水分が多く残されている状態で排便したりします。また、腸壁には腸内の水分を吸収する働きがある他、腸内に水分を分泌する働きも持っています。腸内の水分を正常に吸収することができても、水分を分泌する作用がトラブルを起こして多くなってしまうと、腸内の水分量が多くなるために、下痢を起こしやすくなってしまいます。

ストレス性の下痢は改善できるのか?

ストレス性の下痢を改善するための対処法には、いろいろな方法があります。

ストレスの原因を解消する

1つ目は、ストレスの原因を解消するというものです。理想的な対処法ですが、実際にはそれほど簡単ではないかもしれません。例えば、学校や職場における人間関係がストレスとなっている場合には、下痢がひどいから学校や会社を辞める、という決断をする事は難しいでしょう。また、人によってはストレスを感じている自覚がないケースもあります。ただし、ストレスを自覚していなくても、体がストレスに反応して下痢という症状を引き起こしている可能性はあります。

ストレス解消の方法を模索する

2つ目は、ストレス解消の方法を模索するというものです。ストレスを解消するには、様々な方法があります。例えば、体を動かして汗を流したり、感動する映画を見て涙するのも、体内のストレス物質を排出する効果が期待できます。お風呂の湯船に浸かってリラックスすることもまた、高いストレス解消効果があります。

全身の血行を良くする

3つ目は、全身の血行を良くするという方法です。例えば、お風呂でゆっくり湯船に浸かって全身の筋肉のコリをほぐし、お風呂上りにストレッチをするという方法は、大きな効果があります。特にヨガやピラティスなどのストレッチ系は、運動が嫌いな人でもトライしやすい方法です。自宅の中でサッとできるので、運動が嫌いな人でも取り組みやすいでしょう。

全身の血行を良くする方法なら、整体院で施術を受ける方法も効果的です。女性は骨盤が歪んでいたりズレていることが多く、下半身の血行が悪くなりやすいものです。また、姿勢が悪い人や、デスクワークやパソコンワークなど同じ姿勢で長時間いる人もまた、血行不良を起こしやすいものです。整体で骨格のズレやゆがみを矯正すると、全身の血行が改善され、体がポカポカと温かくなります。同時に、自律神経が正常な状態へと近づくため、下痢などの不快な症状に対してもプラスの効果が期待できます。

食生活を見直す

4つ目は、食生活を見直すという方法です。ストレスが原因で下痢を起こしている場合には、できるだけ腸に負担をかける食材や調理方法は控え、腸に優しく消化に時間がかからないものを選ぶのが良いでしょう。腸内で分解吸収される脂質は、できるだけ控えるのがおすすめです。例えば肉の塊とか脂っこい食事などは、腸への負担が大きくなり、下痢を悪化させてしまうかもしれません。肉を食べるなら、脂質が少なめの鶏のササミを選ぶのが良いですし、魚でも脂質が少なめの白身魚が安心です。

食生活においては、冷たいものは避けて温かいものを積極的に食べるように心がけましょう。冷たいものをたくさん食べると、腸の温度が冷えて機能が低下してしまいます。食事においては、冷たいサラダよりも温野菜のサラダを選んだり、冷たいものを食べた後にはスープやみそ汁など温かいものを飲んで、腸内の温度が下がらないように工夫したいものです。

リラクゼーション法を取り入れる

5つ目に、リラクゼーション法を取り入れるというものがあります。これは、ストレス解消法にも通じるもので、脳や腸の興奮や高ぶり、ストレスなどの刺激を収める作用が期待できます。マインドフルネスと呼ばれる音楽を聴きながら瞑想したり、頭の中を真っ白にする時間を確保するなど、やり方はたくさんあります。趣味を持っている人なら、毎日5分~10分でも良いので、趣味に没頭できる時間を確保するという方法も効果的です。

ストレス性の下痢は病院に行った方が良い?

ストレス性の下痢の中でも、突然お腹が痛くなり、我慢できない下痢に襲われるという症状がある人は、日常生活にも支障が出てしまうリスクがあります。すぐそばにトイレがあれば、駆け込むことができるでしょう。しかし、日常生活においては、必ずしもすぐそばにトイレがあるわけではありません。外出中や通勤中、通学中などにお腹が痛くなっても、トイレに駆け込めないこともあります。我慢できない下痢に襲われることは、考えるだけでも精神的に大きなストレスです。もしも日常生活にも支障が出るような状態なら、病院に行くことも検討したほうが良いでしょう。

ひどい下痢で病院に行った場合、まず問診などの診察を行います。はっきりとした病名が診断されることもあれば、「おそらくストレス性のものかもしれません」とはっきりしない場合もあります。しかし、病院を受診すると、考えられる原因によって、薬を処方してもらうことができます。

病院で処方される薬は整腸剤が多いです。これは、主に善玉菌をはじめとする菌を腸内に与えることで腸内環境を改善し、下痢を起こしづらい環境を作ろうという治療方法です。処方される薬には、他にも止痢剤があります。これは、日常生活に支障をきたしている下痢を止めることができる薬で、下痢がひどくて外出することに抵抗がある人にとっては、大きな安心感を得ることができるでしょう。ただし、止痢剤は、腸内の良いものも悪いものも、すべて排出できなくなってしまうというデメリットがあります。そのため、使い方や用量を間違えると、下痢は止まっても今度はひどい便秘になってしまうことがあるので注意しなければいけません。また、ウィルスや細菌に感染して下痢を起こしている場合には、止痢剤を使うと毒素を排出することができないという問題が起こります。

漢方薬を使った対処法もあります。ストレス性の下痢においては、漢方薬を使って自律神経を整えることで、下痢を起こしづらい体質を手に入れることができます。健康保険が適用される漢方もありますが、漢方薬局などで調合してもらう場合には、保険適用の生薬よりも高い効果は期待できるけど保険適用外というものも多く、コストが高くかかりやすい傾向にあります。その点は、注意したほうが良いでしょう。

また、漢方薬は、一朝一夕で効果を実感できる訳ではありません。体質を改善することによって、少しずつ下痢を起こしづらい体質へと近づきます。効果を得られるまでにどのぐらいの期間がかかるのかについては個人差がありますが、数か月という単位でかかることが多いです。漢方薬をつかった体質改善をするなら、焦らずに根気よく続けることが、とても大切です。

毎日の下痢がツラい、そんな時にはどうする?

ストレス性の下痢は、いつどこでどんな時に突発的に起こるか分かりません。食後には腸の働きが活性化するため、このタイミングで起こる人は多いのですが、必ずしも食後だけに起こるわけではありません。

毎日ひどい下痢に悩まされている人は、食生活では腸に負担がかかりにくい食事を心がける他、規則正しい生活を心がけて、体内時計を安定させる工夫や努力をする事もおすすめです。睡眠時間は、毎日7時間ぐらいを目標に確保するようにしましょう。自律神経やホルモンのバランスを整えるという点では、夜10時ぐらいまでには就寝しているのが理想的です。もしも普段から夜更かしをする習慣がある人は、早めに就寝して、その分早起きする習慣に切り替えてみてください。

外出先や旅行先でストレスを感じやすい人の対処法

長時間の外出や出張、旅行などでは、できるだけストレス性の下痢とは無縁でいたいものです。しかし腸が過敏になっている人は、非日常的なシーンにおいてはストレスを感じやすいものです。そのため、場合によっては旅先で突発的な腹痛に悩まされてしまうリスクがあることは、あらかじめ理解しておかなければいけません。

旅先で注意することは、大きく分けて2つあります。1つ目は、水の摂取は控えたほうが良いという点です。下痢をすると、体内が脱水症状を起こりやすくなるため、水分補給をする事は大切です。しかし旅先では、飲みなれていない水や、冷たい水や氷を摂取することによって、下痢が悪化するリスクがあります。

2つ目は、食事内容に注意するという点です。旅先では、普段は食べることができないご当地グルメを堪能したり、その土地の珍しい食材や食事をいただく機会が増えます。普段食べ慣れていない食材や調理法だと、腸への負担が大きくなり、下痢が悪化しやすくなるので注意しましょう。

下痢が不安で外出できない、どんな点に工夫すればよい?

ストレス性の下痢は、突然お腹が痛くなり、我慢できない下痢が襲ってくることが多いものです。いつどこで下痢になるか考えると、怖くて外出したくないという人は少なくありません。外出せずに済むなら、家にいるという選択肢もアリでしょう。しかし、社会生活を送っていると、下痢だから外出せずに家にいることは、必ずしも現実的ではありません。

突然の下痢に対して不安や恐怖心を持っている人ができる、日常生活の中での工夫がいくつかあります。

トイレの場所を普段から把握しておく

1つ目は、トイレの場所を普段から把握しておくという点です。通勤や通学の経路では、どこにトイレがあるのかという点を把握しておきましょう。こうすることで、いざという時には大きな安心感となります。

電車で移動する

2つ目は、車よりも電車の移動がおすすめと言う点です。マイカーを使う場合でもバスを利用する場合でも、車での移動では、いつどこで渋滞に巻き込まれるか分かりません。それに、腹痛に襲われてすぐトイレに駆け込みたい時でも、まずは駐車場を探さなければいけません。時間や手間がかかりますし、間に合わない可能性すらあります。しかし電車での移動なら、少なくても各駅にはトイレがあります。腹痛が起こったら、次の駅でトイレを利用するという選択ができます。

着替えを携帯する

3つ目は、着替えをバッグに携帯しておくという点です。外出先で漏らしてしまった場合、着替えを持っていないと大変です。漏らさないように最大限の努力をする事は言うまでもありませんが、我慢できない下痢なら、すぐそばにトイレがないと漏らしてしまうという事態を想定することも、必要な対策方法と言えるでしょう。着替えがあると大きな安心感につながりますし、外出することに対しても抵抗が少なくなるのではないでしょうか。

着替えを持参する際には、下着やパンツ、靴下など必要な衣類に加え、汚れた衣類を入れるプラスチックの袋とか、肌についた便をふき取るためのウェットティッシュなども持っていると助かります。また、バッグの中に余裕があれば、公衆トイレにトイレットペーパがなかった時のことを想定して、トイレットペーパーを携帯するのも賢明です。

焦らず気長に取り組むことが大切

ストレス性の下痢は、原因が目に見えないストレスということもあり、対処することが簡単そうで意外と難しいものです。また、一朝一夕に症状が解消できることは少なく、多くの場合には時間をかけてゆっくりと取り組まなければいけません。不快な下痢を今すぐにストップさせたいという気持ちは誰にでもありますし、焦る気持ちもあるでしょう。しかし、焦ると、それがかえって精神的なストレスを大きくする原因にもなりかねません。どのような治療を行う場合でも、またどのような対処法で取り組む場合でも、時間がかかるものだと割り切り、根気よく気長に続けることで、根本的な解決につながります。

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