毎朝下痢をしてしまう…原因は人それぞれ
朝のお通じが習慣になっている人は多いですが、その際に頻繁に下痢を起こしてしまうという人は意外と少なくありません。下痢を起こしてしまう原因は人それぞれで、暴飲・暴食、ストレスなどがありますが、これが毎日続くとなるとやはり健康面で喜ばしいこととは言えませんので、できる限り改善を図っていかなければなりません。症状が深刻な場合脱水を引き起こす心配も出てくるので、たかが下痢と甘く考えてしまわず、原因をしっかり突き止めて毎日のお通じを正常なものにしていきましょう。
暴飲・暴食が原因ならまずは食生活を改めて
日常的に下痢を起こす人の場合、単純に飲みすぎ・食べすぎが原因であることは意外と少なくありません。暴飲・暴食のせいで消化が追いつかず過剰に飲食したぶんがそのまま下痢を引き起こしてしまうのです。飲みすぎ食べすぎが原因の場合、単純に消化が追いつかないというだけの問題なので病気などの心配をする必要はないものの、下痢というのはそれだけで消化器官に負担をかけるため放置するのはよくありません。消化器官に負担をかけつづければ、それだけ病気を引き起こすリスクも高まりますので、ただ食べすぎ・飲み過ぎているだけだから大丈夫と甘く考えてしまうことの無いようにしてください。
暴飲暴食に心当たりがあるのであれば、日常の食生活を改めるようにしてください。夜、特に遅い時間に食べすぎてしまう、朝ご飯を過剰に食べてしまうという人は単純に食べる量を見直しましょう。また辛い調味料など刺激物が好きという人はこれを控えることも必要です。刺激物はそれだけで下痢を引き起こす原因となるものなので、毎日下痢をするような人の場合は特に摂取する量を減らす、摂取を控えることが必要になってきます。
水分の摂りすぎも下痢を引き起こす原因となるため、飲み物の量には気を付けてください。夜間の飲み過ぎはもちろん、朝にあまり大量に水分を補給しすぎるのも望ましくありません。人は寝ている間に汗をかいたりして水分を失うため朝の水分補給はとても重要ですが、それもコップ一杯程度の量で充分です。過度な水分補給は下痢を招き、結局体外に排出させてしまうことになりますから、適度な水分補給を心がけるようにしましょう。摂取する水分については冷えたものだとお腹を下しやすいので、休まっている胃腸を起こす意味でも朝は温かい飲み物を摂るのがおすすめです。
ストレスが原因による過敏性腸症候群
毎日下痢を起こしてしまう人の場合、ストレスが原因で過敏性腸症候群という症状を引き起こしていることも考えられます。日常的、社会的に抱えている心理的ストレスが身体反応として出てしまうもので、軽度の症状を含めると日本人の2割もの人がこの症状を持っていると言われています。
一般的に下痢の症状が目立ちますが、中には便秘や膨満感、腹痛などの症状が現れることも多く、人それぞれです。食生活に特に問題が無いのに毎朝下痢に悩まされるという人の場合、ストレスからくる過敏性腸症候群の可能性が非常に高いので、症状を改善させるためにはストレスの原因となっている問題を根本的に取り払っていく努力が必要となります。
しかし根本的な原因を取り払うとなると仕事を辞めたり環境を変えたりなど、生活を一変させなければならないことも出てくるため、過敏性腸症候群による下痢の症状を治すのはそう簡単なことではありません。
ストレスの根本的な原因を解決していく努力と共に、過敏性腸症候群は内的治療も合わせて行っていくことができます。生活指導や食事療法に加えて止痢剤、整腸剤などの処方が主で、規則正しい生活習慣や睡眠不足に気を付けること、過労の注意、飲み過ぎや食べすぎにも気を付けるといった指導が行われていきます。
必要に応じて心療的治療も行われ、その際は不安や抑うつ状態に対し抗不安剤、抗うつ剤などが処方されます。自律訓練法、リラクゼーションなどに努めストレスを緩和していくことも重要です。
ストレスが原因による過敏性腸症候群はカウンセリングなどもとても重要になるので、しっかり話を聞いてもらい心のケアに努めるようにしてください。心理的ストレスの解消は、原因が解っていても自分一人でどうにかするのが困難ですので、クリニックなどを利用し正しい治療を行えるようにしましょう。
原因がストレスの場合は放っておくと危険
下痢自体が健康において他の症状を引き起こすということはあまりないものの、下痢を引き起こす原因がストレスである場合には、その症状が下痢に留まらず様々な症状へと繋がっていくこともあるので気を付けなければなりません。特に毎朝下痢を引き起こすほどのストレスを抱えている人の場合、パニック障害へと発展していくことも珍しくありませんので注意が必要です。
ストレスは様々な健康問題を引き起こすものであり、毎朝の下痢というのはストレスが身体に現れる際の初期症状とも言えるものでもあるため、単なる下痢と考えるのではなく身体からのサインだということを理解しきちんと受け止めていかなければなりません。心理的な問題は早い段階で解決を図っていかないと、どんどん様々な症状に悩まされることになり、また治療も困難となっていきますので積極的に改善に努めてください。
過敏性腸症候群は性格的な問題も多い
毎朝下痢をする人の中に多い過敏性腸症候群ですが、これはその人の性格によるところも大きいです。几帳面で内向的、なかなか自己主張ができずまわりに気を遣いすぎるような性格の人の場合、精神的にストレスを感じやすい、溜め込みやすいせいでそれが身体に出てきてしまいます。性格はなかなか変えることができませんから、過敏性腸症候群によって毎朝下痢をしてしまうといった場合には、とにかくストレスを溜めないよう努めていくことが大切です。
気にしすぎる性格が身体に不調をきたしてしまうということをよく理解して、普段からできるだけ考えすぎないようにする、溜め込んでしまわないようにすることでストレスと上手く付き合っていけるようにしなければなりません。
また、できる限りストレスのたまる環境に身を置かないというのも重要です。職場、人間関係などはできるだけ負担が少なくて済むような環境にいられるようにしなければなりません。ストレスによる健康への影響は日常を大きく狂わせてしまうことも珍しくありませんので、我慢をするというのではなく、限りなくストレスのない環境に身を置けるようにしていくことが前提としてとても大切になってきます。
身体に合わない食べ物を摂っているせいで毎朝下痢を起こすことも
暴飲暴食やストレスなども無いのに毎朝下痢をしてしまうという場合、日常的に身体に合わない食べ物を摂ってしまっていることも原因として考えられます。例えば朝食に牛乳を摂る人は少なくありませんが、牛乳はお腹をくだしやすいものでもあるため、毎朝これを飲んでいるせいで下痢を起こしてしまっているというようなことは意外と多いのです。
消化に合わない食べ物というのは人それぞれであるため、もし毎朝なぜか下痢をしてしまうという人は一度朝の食生活を見直してみることをおすすめします。牛乳で下してしまうという場合であっても、別の商品に変えることで下痢をしなくなるというようなこともあるので、一律にその食品を諦めなければならないということはありません。同じ食品でも温めて摂るようにすれば問題ないということもありますから、どうすればお腹を下さずに摂ることができるかを自身でよく見極めていきましょう。
下痢になりにくい腸になるためにはどうしたらいいか
元々の体質として下痢を起こしやすいとあきらめてしまうことも多いでしょうが、腸というのは生活習慣を改めていくことで、強くし下痢になりにくい性質へと変えることもできるので努力をしていきましょう。
下痢になりにくい腸へと変えていくためには、まずは運動を積極的に行うのがおすすめです。運動することで腸そのものの働きを活発にすると腸自体が強くなり、食べ物の影響によって下痢を起こすことも少なくなってきます。腸が強くなればそれだけ腸内環境も改善されていきますから、ちょっとしたことですぐにお腹を壊してしまうというような人は、運動をして働きの鈍っている腸を目覚めさせ鍛えていってください。
腸を健やかに保つためには睡眠も大切です。睡眠不足は疲れを蓄積し身体の様々な機能の足を引っ張ることになりますが、それは腸にとっても同じです。睡眠不足が続けば、当然腸も万全の状態で働くことができず下痢を引き起こしやすくなりますし、慢性的に睡眠不足が続けば毎朝下痢をしてしまうということにもなってきます。運動や睡眠は健康を維持するための基本となるものですが、腸においても重要なことなので、健やかな状態を保つためにも疎かにならないよう努めていかなければなりません。
腸内環境を整える栄養を積極的に摂ることも、下痢をしにくい腸を育てていくためには重要です。腸内環境が悪く悪玉菌に支配された状態であると下痢を引き起こしやすくなりますので、乳酸菌などの善玉菌を摂取して腸内環境をより良い状態に整えられるよう努めていってください。
乳酸菌を直接摂れるヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆などを毎日食べるようにして善玉菌を摂取していくと環境を改善していけます。また、善玉菌の餌となる食物繊維やオリゴ糖なども合わせて摂取すると、相乗効果で腸内環境をより改善していきやすくなります。
乳酸菌は腸内に住み着くものでは無く、排泄と共に出てしまうものなので、毎日継続して摂取しなければなりません。三食毎回乳酸菌を含む食品を摂ることが理想的ですが、難しい場合は朝や夜など決まったタイミングで意識して摂れるよう心掛けてください。
下痢の時の食事はどうしたらいい?
下痢は体内の水分を失うと共に体力も消化するため、できる限り引き起こすことの無いよう努めていくことが大切です。
毎朝下痢をしてしまうとなれば、いっそ朝食を食べるのを控えてしまった方がいいのではと考える人もいるかもしれませんが、それでは体力が持ちませんので朝ご飯はしっかり食べるようにしてください。下痢の場合は脂肪分の多いものやお腹の中で発酵するようなものは控えた方が良いため、揚げ物や肉、さつまいもや豆類、キャベツなどをできるだけ控えるようにしてください。
玄米や海藻類も腸に刺激を与え、またカフェイン類なども控えた方がお腹にとってはありがたいです。おかゆやよく煮込んだうどん、鶏のささ身などは消化も良く栄養もしっかり摂れるため、下痢が心配で食事が摂りにくいというような時はこれらの食べ物を利用することをおすすめします。
消化吸収の良いリンゴやバナナ、ヨーグルトなどもお腹に優しく下痢を引き起こしにくいです。お腹を下すことを心配して満足に食事をとれないとなっては健康にも良くありませんし力も湧いてきませんので、安心して食べられる朝食を模索してみてください。
ストレスを溜めない・強い健やかな腸を育てて対策を
毎朝下痢をするというような場合、日常の中に下痢を起こす原因が根付いてしまっていると考え対策を取っていかなければなりません。
下痢は水分と共に体力を消耗し、腸にも負担をかけますから、放置しておけば当然身体にとってよくありません。また下痢をしてしまうことがストレスともなり健康を阻害していくことになりますので、たかが下痢と侮ってはいけないのです。ストレスから下痢を引き起こしているのであれば、そのストレスの原因を解決していかなければなりませんし、必要であればカウンセリングなども受けメンタルケアにも励んでいくべきでしょう。
暴飲暴食を改め規則正しい生活習慣や適切な睡眠などをとっていくことでも、下痢と下痢を引き起こす原因であるストレスを改善していくことに繋がります。身体を動かして腸の働きを活発にするということでも強い腸を作りお腹を下しにくくしていけますから、あらゆることに取り組んでお腹の調子を整えていってください。
下痢は体質的なものと諦めてしまうことが多いですが、食事や運動、その他の生活習慣を見直して健やかな身体作りに励んでいけば充分改善は見込めるので、強い腸になれるよう努力していきましょう。