40代の男性は痩せにくい?
40代になってから、若いころよりも痩せにくくなったと感じている男性は多いでしょう。今までと同じようなダイエットをしてもなかなか痩せないことには理由があります。その理由と適切なダイエット方法を知って、リバウンドを防ぎましょう。
40代の男性がダイエットをしても痩せない理由とは
代謝がどんどん悪くなる
人間は、活動をしていなくても体温を維持したり内臓を動かしたりするために、エネルギーを消費します。このことを基礎代謝といいますが、基礎代謝は年を取ることで衰えるのです。たとえば、20代男性の基礎代謝は体重1gあたり23.7kcalですが、40代男性になると体重1kgあたり22.5kcalになります。
その結果消費しきれなかったエネルギーが脂肪に変化し、身体に蓄えられます。若い頃と同じくらいの量の食事をしていたとしても、脂肪がつきやすくなるということです。
また、年を取ることで筋肉量も減少しやすくなります。筋肉量が少ないということはカロリーの消費もしにくいということなので、痩せづらくなるのです。さらに身体も賢くなっていくので、年を重ねると少ないエネルギーでも効率よく動くことができるようになり、余計にエネルギーの消費量が減ります。
内臓脂肪がつきやすい
痩せづらくて困っている40代男性のなかでも、特にぽっこりと出たお腹に悩んでいる方は、内臓脂肪が原因であると考えられます。内臓脂肪は一般的に女性よりも男性のほうがつきやすいと言われており、内臓脂肪が多くなると「メタボリックシンドローム」、いわゆる「メタボ」の状態になります。
平成30年の厚生労働省の調査によると、調査対象の男性の32.2%が肥満状態であるということが分かりました。肥満の割合は特に40歳以上から増加しており、40代や50代の男性はお腹周りに脂肪がついているという症状が多く見られています。
メタボは高血圧や脂質異常症などの生活習慣病にかかる原因になりますし、心臓病や脳卒中などの病気に発展する可能性もあるのです。よって、痩せるためだけでなく健康的な身体を維持するためにも、早めの対策が必要です。
40代の男性が太ってしまう原因
あまり運動をしなくなる
40代になると、20代や30代の頃と比べて運動量が減少している方が多いと考えられます。仕事でもある程度役職が上がり、職業によっては外回りよりもデスクワークが多くなったという方もいるでしょう。よって、自然と身体を動かす機会が減ってしまうのです。
さらに、年を重ねると運動がつらいと感じる方も多いでしょう。痩せるために運動を始めても、体力が衰えていることで思ったよりも身体が動かなくて諦めてしまうことがあるのです。
その結果軽い運動しかしなくなったり、運動を全くしなくなったりして、さらにカロリーの消費ができなくなります。そして体力も衰えていく一方なので、どんどん運動ができなくなるという悪循環に陥ります。
カロリーが高いものを食べることが増える
40代になると少しお金に余裕ができて、上質で美味しいものを食べる機会が増える方もいるのではないでしょうか。食通として、食事にお金をかける方もいるでしょう。食事にこだわって美味しいものを食べることはとても素敵な趣味です。
しかし一般的に、美味しいものはカロリーが高いことが多いといえます。お寿司など、一品一品が少ない量だから大丈夫だと思ってたくさん食べると、結果的に太ってしまうのです。
栄養が偏っている
一方、食事に全くこだわりがない場合も注意が必要です。たとえば朝食はおにぎりや菓子パン、昼食は牛丼やコンビニ弁当、そして夕食は居酒屋で食事をするなどの生活を続けていると、栄養がとても偏ります。
特に、丼やラーメンなどの単品メニューは炭水化物とタンパク質に偏った食べ物であることが多いため、摂取する栄養のパターンが少なくなるのです。もちろんこれらのメニューを食べることが絶対的に悪いわけではありませんが、サラダなども取り入れてバランスをとる必要があるでしょう。
アルコールをたくさん飲んでいる
アルコールを摂取しすぎると太りやすいことには、2つの原因があります。まず1つ目は糖質。アルコール自体は身体に蓄えられないといわれていますが、アルコールに含まれている糖質は脂肪となって蓄積します。
2つ目はおつまみです。お酒を楽しむときには、おつまみを食べながら飲む方も多いでしょう。アルコールによって食欲も増すので、唐揚げなどの脂っこいものが食べたくなることが多いです。その結果、アルコール以外にも過剰にカロリーを摂取してしまうことになります。
塩分を摂り過ぎている
塩分は摂取しなければならない必要なものですが、摂取しすぎることは太る一因になります。体内の塩分濃度を維持するために、細胞のすき間に水分がたくさん溜め込まれて体重が増加するのです。また、むくみやすくなる原因にもなるので、塩分は摂り過ぎないようにしなければいけません。
夕食を遅い時間に食べている
仕事が忙しくて帰宅時間が遅くなってしまうと、どうしても夕食の時間が遅くなります。そうなると夕食後すぐに寝ることになり、エネルギーをうまく消費することができません。その結果消費できなかったエネルギーが脂肪に変化して、太ってしまいます。
また仕事で帰りが遅くなることで、自宅ではなく外で外食することも多くなると考えられます。栄養が偏る可能性が高くなるので、なるべく栄養バランスを考えた食事をすることが大切です。
早食いをしてしまう
人間は、血糖値が上昇して満腹中枢が刺激されなければ、満腹感を覚えません。そして血糖値が上昇するのは食事をした後すぐではなく、20分後くらいからです。
よって、早食いをするとなかなか満腹にならずに食べ過ぎてしまいます。40代の男性は何かと忙しい方が多いですが、食事はゆっくりととることが大切なのです。できればよく噛みながら、落ち着いて食事を楽しんでください。
ストレスが原因になることもある
ストレスと肥満はあまり関係がないように思われるかもしれませんが、実は密接に関わり合っています。特に40代は仕事でも責任を負う立場になることが多いですし、家庭でもさまざまなストレスを感じることがありますよね。そこで、ストレスを感じた時に美味しいものを食べることで解消しようとする方もいるでしょう。
ストレスが溜まるとたくさん食べたくなることには、「コルチゾール」というホルモンが関係しています。コルチゾールというのはストレスを感じた際に分泌されるものです。身体にとって必要なホルモンですが、常に多く分泌されていると身体は「ストレスと戦わないといけない」と判断してエネルギーを蓄えようとします。
その結果食欲が増進してたくさん食べてしまうのです。特にカロリーが高い脂っこいものや濃い味のものが食べたくなるのは、たくさんエネルギーを蓄えようとするからです。仕事帰りにジャンクフードやスイーツなどが食べたくなる場合は、ストレスが1つの原因であることが考えられます。
太らないように気をつけること
適度な運動を行う
まずはしっかりと身体を動かして、身体についた脂肪を減らしましょう。ですが、運動であればなんでもいいわけではありません。
まずは、有酸素運動をして内臓脂肪を減らすことを目指してください。有酸素運動とは、酸素をエネルギーとして筋肉を収縮させる運動のことです。身体を動かすと、まずは血中の脂肪などがエネルギーとして使われますが、それらを使い切ると次に内臓脂肪が分解されていきます。
有酸素運動には比較的長い時間継続して行えるものが該当し、具体的にはジョギングやウォーキング、水泳などがあります。内臓脂肪を分解させることを目指すのであれば、20分以上は運動を続けるするようにしましょう。
ですが、忙しくて毎日20分以上の運動をすることが難しい方も多いでしょう。その場合は通勤時に歩く時間を長くしたり、積極的に階段を使ったりして、日頃からできる運動から始めてみてください。そして時間のある休日には、気分転換としてウォーキングなどを行ってみましょう。
さらに、無酸素運動を取り入れることも必要です。無酸素運動とは、エネルギーとして筋肉に蓄積されている糖質を使う運動のことです。
比較的短い時間で大きな負荷をかけるという特徴があり、具体的には筋トレや短距離走などが該当します。筋肉をつけると基礎代謝が上がり、エネルギーを消費しやすくなるので、無酸素運動も取り入れてください。
ですが、いきなり身体に大きな負荷を与えることは難しいですし、無理をすると身体を壊す恐れもあります。まずは短時間で、自分ができる範囲内の筋トレから始めてみましょう。継続することで筋肉がついて運動の時間も延ばせるようになるので、諦めないことが重要です。
摂取カロリーをコントロールする
食事も非常に大きな要因です。摂取カロリーが多ければ、消費できなかったカロリーが脂肪になってしまうので、カロリーはしっかりとコントロールしてください。
ただし、単に食事の量や回数を減らせばいいというわけではありません。カロリーを抑えすぎると、エネルギーが足りなくなって倒れてしまうこともあるでしょう。また過度なカロリー制限の反動で、一気に脂っこいものなどが食べたくなる可能性もあります。
まずは自分が目標とする体重になるためのカロリーの目安を調べてみてください。最近では、多くの食べ物のカロリーがラベルなどに記載されているので、チェックして計算しましょう。
何から制限すればいいのか分からない場合は、主食の量から減らしてみてください。丼のご飯や麺類のおかわりの量を減らすことで、満腹感を得ながらカロリーを抑えられるでしょう。なかには、写真を撮影するだけでだいたいのカロリーを判断して計算してくれるアプリもあります。とても楽にカロリーコントロールができるで、活用してみてください。
栄養バランスを考えた食事をする
食事をするときは、なるべく栄養バランスを考えてください。外食する場合でもいつも同じものを頼むのではなく、いろいろなメニューを食べましょう。
おにぎりやラーメンなどの単品メニューを食べる場合も、サラダやお味噌汁などを付けて栄養が偏らないようにすることが大切です。そうすることでさまざまな食べ物を食べるようになって、食事が楽しくなるかもしれません。
ただし、できれば肉よりも魚メインのメニューや、味付けが濃くない和食などが好ましいです。パスタやラーメンなどは特に糖質が多いので、食べ過ぎないように気をつけてください。
アルコールを控える
アルコールの糖質は身体に蓄積されていくので、なるべく控えたほうがいいでしょう。約200kcalのビールジョッキ1杯分と同じカロリーを消費しようとすると、1時間くらいのウォーキングが必要になります。時間がかかりますし大変なので、できればお酒は飲まないことをおすすめします。
しかし職場の飲み会や接待などで、どうしてもお酒を飲む場面を避けられないこともあるでしょう。その場合は、ワインやハイボール、焼酎などの、含まれている糖質の量が少ないものを選んでください。
ただし、糖質が少ないお酒を選んでもおつまみでカロリーを摂取していると意味がありません。高カロリーの揚げ物などは避けて、野菜や豆腐、海藻類などを選ぶようにすることがポイントです。特に枝豆や豆腐、タコなどはアルコールの代謝を助けてくれるのでおすすめです。また揚げ物ではなく、生や焼き物などを選びましょう。
ダイエットサプリを活用する
忙しくて運動ができない、食事制限が難しいという場合は、サプリを活用するという方法もあります。ダイエットサプリには脂肪の燃焼を助けるものや、糖質、脂質をカットする効果が期待できるものなどがあるので、自分の目的などに適したものを選んでください。
最も多いのは、脂肪の燃焼を助けるタイプのものです。このタイプを飲む場合は、運動をする30分~1時間前に飲むようにしましょう。ただし、飲むタイミングなどはサプリによっても異なるので、説明書は必ず読んでください。
サプリはあくまでも補助的な役割のものなので、運動や食事制限も取り入れて健康的な身体をつくりましょう。無理をせず、ストレスを感じずにできるダイエットを継続することが大切です。