一人暮らし

野菜不足に陥る原因と自炊のための無駄にしない下ごしらえ

一日に必要な野菜の量とは

厚生労働省が提唱する一日に必要な野菜の摂取量は、成人350グラム以上を目標としています。350グラムというと、キャベツの葉2枚、トマト1玉、キュウリ1本、ホウレンソウ1株程度の量になります。見た目ではさほど多い量ではないと思われますが、いざ食事の献立に反映させようとした場合、メニューが思い浮かばないということがあります。

1食分に換算すれば120グラム程度ですが、朝は食欲がない、昼は軽食が中心、夜は飲酒メインというように、食生活の乱れが顕著に表れてしまうこともあるでしょう。野菜を準備できたとしても、主食などと組み合わせると食事の量が増えてしまい、食べきれないということもあるようです。特に、一人暮らしで自炊をしている人ほどこの傾向に陥りやすく、野菜不足を認めざるを得ないという人も少なくありません。

一人暮らしの人が野菜不足に陥る原因

一人暮らしの人が自炊をする中で、野菜不足に陥る原因はいくつか考えられます。

調理の時間が取れない

学業や仕事などがメインの生活に振り回された結果、調理の時間が取れないというケースがあります。レトルト食品を温めただけ、総菜をレンジアップしただけというように、短時間で食べられる食生活が中心となり、炒める・ゆでる・焼くというような自炊調理から離れてしまうことが考えられます。インターネット上で掲載されているレシピなどを見て、材料の多さやプロセスの複雑さに怖気ついてしまう人も見受けられます。

外食や買ったもので済ませてしまう

忙しい生活の中で、お惣菜や弁当を購入して食事に代えてしまうというケースもあります。外食産業で提供するメニューは、家庭的な献立も増えてきましたが、塩分や油脂を多用した献立も少なくありません。野菜の栄養素で塩分や油脂を体外に排泄することもなく、生活習慣病の原因につながることも考えられます。

買った野菜を余らせてしまう

「野菜不足はよくない」といった話題はメディアなどで取り上げられることも多く、意図的に野菜を購入することもあるでしょう。その中で、一食の自炊で使い切れずに余らせてしまうケースがあります。残った野菜を献立のバリエーションに活かせず、使い切れないまま廃棄をしてしまうことがあるようです。フードロス問題が叫ばれる中で、「余らせるくらいなら買わないほうが良い」という考えから、野菜離れが進んでしまうことがあります。カット野菜や少量パックなど小分けにして野菜を販売するお店もありますが、割高になってしまうため、定期的に買い続けると食費を逼迫するということも考えられます。

好きなものばかり食べてしまう

一人暮らしの食生活は自己管理となってしまうため、どうしても食指が動くものを準備しがちです。定期的に自炊をしている人でも同様の傾向が見られます。野菜を使った食事はボリュームがない、歯触りが苦手といった理由で避けてしまう人も多く、どうしても厚生労働省が提唱する1日350グラムの野菜摂取とは程遠い食卓になってしまうことが考えられます。自炊の中で野菜を食べているとしても、根菜類が多いなど偏ってしまう場合もあります。根菜類に含まれる炭水化物が多く、繊維質が少ないというように、バランスが悪い場合は野菜の摂取に関して見直しをすべきでしょう。

そもそも自炊ができない

一人暮らしで料理が苦手、というように、そもそも自炊とは縁遠い生活をしている人も見られます。先にも触れましたが、総菜や外食で食事を済ませる傾向にあり、野菜を意識して食べるということをしないというケースがあります。外食でも野菜を積極的に摂取できるメニューが豊富にありますが、避けてしまう人も少なくありません。食堂での食事付きの寮生活をしている人もいるでしょう。このように食事の面で心配する必要がないという人でも、野菜を避けてしまうことが見られます。

野菜不足が続くと起こる体の不調

整体に訪れるお客様に食生活の話を伺うと、野菜不足が体の不調の引き金になっている可能性があるようです。下半身を中心とした体のむくみや疲労がなかなか取れないなど、何らかの症状と体のゆがみに関する悩みを同時に持っているお客様に、野菜不足と思われる食生活が多い傾向があります。

貧血を引き起こす

葉物野菜には鉄分が含まれています。鉄は肉類からも摂取できますが、野菜からならば、肉類に存在する脂質に影響されることなく摂取できます。野菜不足が続くと、貧血の症状が出てしまうことがあります。月経がある女性はもちろんのこと、定期的に運動をする機会がある人は、男女問わず貧血になる可能性があるのです。毎日ジョギングを欠かさないという人や体に大きな負荷をかけて行うウエイトトレーニングを常に行っているという人の場合、食生活の中で糖質制限も併用しているケースが見られます。これに野菜不足が重なると、貧血を引き起こす可能性が高まります。プロテインやサプリメントを多用している人は特に注意が必要です。

便秘を引き起こす

野菜には食物繊維が豊富に含まれています。特に、根菜類の水溶性食物繊維は、水分を含むと膨れる性質があり、便を柔らかくする効果があります。これによって、腸内の宿便などを押し出してくれる働きがあります。ゴボウやモロヘイヤなどの粘り成分など、水溶性食物繊維が含まれている野菜はたくさんあります。

ペクチンという食物繊維は果物に多く含まれる成分ですが、野菜の中ではニンジンにも含まれています。ペクチンは不溶性食物繊維としても分類されることがあり、腸内のお掃除役を担ってくれます。

食物繊維が豊富に含まれた野菜は、「歯触りが苦手」「調理しにくい」という理由から敬遠されがちです。しかし、摂取量が減ってしまうと、便が固くなるというような弊害が生まれます。

体のむくみが取れなくなる

足がむくんで痛みがある、むくみで靴がきつくなる、という悩みを持っている方もみられます。むくみは体の水分がたまってしまった状態です。内科的疾患でむくみが起こることがありますが、筋肉量の低下によって体の水分のめぐりが悪くなっている可能性があります。野菜に含まれるカリウムは利尿作用があり、体のむくみ解消には必要不可欠な成分です。野菜不足に陥ると、体の中の水分や塩分の排出が難しくなり、むくみにつながる可能性があります。

「体のむくみは骨盤のゆがみが原因かもしれない」というお客様もお見えになります。もちろん、骨盤のゆがみによって下半身の血流が悪くなり、むくみが発生することもあります。しかし、野菜不足なども伴っている可能性があるので、食生活などのカウンセリングは欠かせません。

これらに付随する症状にも

便秘が原因で肌荒れになってしまうケースや巡りが悪く顔色が常に悪いというケースも、野菜不足が原因による代謝の滞りである可能性があります。むくみなどもしかりで、食生活を見直すだけで、体の調子が良くなることも考えられます。一人暮らしで食事が面倒に感じるかもしれませんが、まずは野菜を食べることにウエイトを置いてみましょう。

一人暮らしでも無駄にしない自炊のための下ごしらえ

野菜不足になってしまう理由として、「野菜を献立に活かしきれず無駄にしてしまう」ということが考えられます。下ごしらえをして保存をすることで、使い切れるようになります。下ごしらえは手間ですが、食事のバリエーションを広げるきっかけにもつながります。一人暮らしだからこそ、安価な野菜を下ごしらえして保存しておくと、食費の節約にもなるでしょう。

根菜類

玉ねぎやジャガイモは、冷暗所で保存をすれば日持ちがします。常備用のストック野菜として、1~2個は常時手元にある状態にしましょう。

大根は、半月切りやいちょう切りなど切り方を分けて、ストック冷凍をします。一部は大根おろしにして、小分け保存をすると便利です。みそ汁や煮物、みぞれ鍋に添えるなど、さまざまな使い道が生まれます。

ゴボウはささがきにした後、水にさらし、あく抜きをします。水を切った後、油で炒めてから、小分け冷凍保存をしましょう。みそ汁の具や煮物などに使えます。

このように、根菜類の大半は冷凍保存が可能です。1食分ずつの量に小分けして冷凍庫で保存することで、1ヶ月程度は日持ちします。

緑黄色野菜

トマトなどは、皮をむき、カットして冷凍保存がおすすめです。おろしにんにくやセロリのみじん切りなどと一緒に煮込むと、トマトソースができます。小分けにして冷凍保存をすると、ミネストローネやミートソースのベースとして使えます。

キュウリなどは、一口大に切って浅漬けにすれば、1週間程度日持ちが可能です。キュウリとちぎりキャベツ、ニンジンの千切りと一緒に、液体の浅漬けの素や塩こうじにつけておくと、サラダ感覚で食べられる漬物に仕上がります。

葉物野菜

葉物野菜は軽くゆでてから水にさらし、固く絞った後で小分けにして冷凍保存をします。解凍後は、おひたしやおみそ汁の具にできます。にんにくの芽などは、生のまま冷凍保存も可能です。5センチ程度の長さに切った後で、フリーザーパックに入れて冷凍庫に入れるとよいでしょう。

常備菜でおすすめ!ピクルスの作り方

野菜不足を補うために、パプリカときゅうりでピクルスを作りましょう。彩りがきれいですし、さっぱりしているため、毎食でも食べられます。余ってしまう野菜を使って作りますので、フードロスもなくせます。

【材料】作りやすい量

  • パプリカ 黄色と赤(それぞれ1/2個を縦7ミリ厚に切る)
  • キュウリ 1本(半分に切った後、4等分にする)
  • 大根やニンジン 適宜(キュウリに長さを合わせ、短冊切りにする)
  • 市販のピクルス液 1本(フレーバー酢+塩小さじ1でもよい)
  • 消毒できる保存瓶(熱湯消毒をしておく)

【作り方】

  1. 野菜を指定の切り方でそろえ、分量外の沸騰したお湯に10秒くぐらせます。
  2. あらかじめ熱湯消毒した瓶に1を立てるようにすべて詰めます。
  3. 市販のピクルス液を2に注ぎ、一晩おいて完成です。
  4. フレーバー酢を使う場合は、塩を混ぜた後、いったん沸騰させてから3の工程で使いましょう。

野菜不足解消にピクルスがよい理由

酢にはアミノ酸が豊富に含まれています。野菜のビタミンと一緒に、アミノ酸が摂取できるようになります。また、野菜に含まれたカルシウムの吸収を酢が助けてくれるので、丈夫な骨づくりを意識している人に最適です。余った野菜のサルベージメニューとしてもおすすめです。酸味が強くないため食べやすく、和食にも洋食にも合います。シャキシャキとした歯ごたえや色合いが残るので、たっぷり食べられます。

野菜を上手に摂取するための工夫とは

野菜の下ごしらえや保存方法をマスターしただけでは、どうしても1日350グラムの摂取量には程遠い場合があります。自炊以外のところで野菜を摂取するための工夫も励行してみましょう。

青汁や野菜ジュースも一案

コンビニなどでは、青汁や野菜ジュースといった清涼飲料水も販売されています。加工された飲み物ではありますが、濃縮果汁100%といったところで「野菜を摂取できている」と認識できることでしょう。野菜ジュースなどは、果物がブレンドされた飲み物もあるので、飲みやすさを重視したい場合にはおすすめです。

ファミレスのサラダバーもおすすめ

ファミレスや定食屋では、サラダを一緒にオーダーするようにしましょう。サラダバーだと生野菜だけではなく温野菜も食べられるため、思った以上に野菜が食べられます。野菜はいつもより多めに咀嚼して食べることで、全体に食べる量を抑えられます。

体調維持のために自炊はおすすめ

野菜不足のままの状態は、体調不良や肌荒れなどの症状を引き起こします。サプリメントで栄養を補うこともできますが、体に栄養素が吸収されやすいのは野菜などの食物からです。一人暮らしの場合、食生活が二の次になりやすいですが、野菜を適宜、献立に取り込んで食事をしましょう。もちろん、総菜や弁当、外食も体を作るための食事のひとつです。すべてが悪いものではありません。時間が取れないときには外食なども取り入れて構いません。その中でも、野菜を摂取するように心がければよいでしょう。献立の検討が難しい、作り方でつまづいてしまうというように、自炊はハードルが高いと感じるかもしれませんが、少しずつチャレンジしていきましょう。

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